「何か甘いものが欲しい」と言いたいとき、want「欲しい」という動詞を使って「I want something sweet.」と表現します。
この「something sweet」の部分には名詞だけでなく動詞句である「to不定詞」を置くこともできます。
- I want something sweet.「何か甘いものが欲しい」
- I want to eat something sweet.「何か甘いものが食べたい」
しかし、この「to不定詞」の部分は「動詞の~ing形」に書き換え可能であると学校で習ったこともあるのではないでしょうか。
学校で習った通り、どちらも使うことのできる動詞(例:like / love / startなど)もあるのですが、実はどちらかしか使えない動詞も存在します。
これらの意味のニュアンスの違いを踏まえてご紹介します。
to不定詞は「これから」先のことを強く意味する
動詞句にto不定詞のみを置くことのできる動詞をいくつかご紹介します。
- want「したい」
- hope「望む」
- expect「期待する」
- decide「決める」
- plan「計画する」
これらは全て「これから」という先に行うという意味を強く持っているのです。
- want「(これから)~をしたい」
- hope「(これから)~を望む」
- expect「(これから)~を期待する」
- decide「(これから)~を決める」
- plan「(これから)~を計画する」
いくつか例文をご紹介します。
例:I want to speak English fluently.「わたしは英語を流暢に話したいです」
英語を流暢に話したいというのは今から先の話。そのため、want speakingではなくwant to speakという表現になります。
例:I promise to call you every morning.「わたしは毎朝あなたに電話すると約束します」
約束というのもこれから先の未来についての話です。そのためto不定詞が使われます。
~ing形は「具体的な状況」を求める
動詞句に~ing形のみを置くことのできる動詞をいくつかご紹介します。
- stop「止める」
- finish「終える」
- enjoy「楽しむ」
- mind「気にする」
- consider「よく考える」
- imagine「想像する」
これらの動詞には「具体的な状況」を前提として使う動詞になります。
そのため、よりリアルな生き生きとした動作や行為を思い起こすような~ing形が使われるのです。
to不定詞/動詞の~ing形によって意味が変わる動詞
- try「試みる、挑戦する」
- forget「忘れる」
- remember「覚えている」
これらの動詞は上で紹介した動詞と異なり、to不定詞/~ing形の選択により意味が変化するものになります。tryの例で見てみましょう。
例:Takuma tried to carry the heavy bag, but he couldn’t.「タクマは重いバッグを運ぼうとしましたが、できませんでした」
例:Takuma tried carrying the heavy bag, and he got tired.「タクマは重いバックを運んでみて、疲れてしまいました」
上の例では「~しようと試みた(これから)」下の例では「(実際に)試みた=実際に行った(具体的な状況)」という差を感じてもらえたらと思います。
to不定詞/動詞の~ing形どちらを使用しても意味が同じ動詞
- like「~を好む」
- love「~を大好きである」
- hate「~を嫌う」
- start「~を始める」
これらの動詞はto不定詞/~ing形どちらを選択しても同じ意味になります。
例:I like to read books. = I like reading books.「わたしは本を読むことが好きです」
例:Ran loves to eat sweets. = Ran loves eating sweets.「蘭はスイーツを食べることが大好きです」
例:Genta hates to study science. = Genta hates studying science.「元太は理科の勉強が嫌いです」
例:You started to drive last year. = You started driving last year.「あなたは昨年運転を始めました」
まとめ
目的語になる「to不定詞」と「動詞の~ing形」の違いを具体的な動詞を紹介しつつ説明しました。
片方しか使えないもの、両方で意味が異なるものなど覚えなければならないことも多いですが、ぜひこの機会に覚えてみてくださいね。